<シビアアクシデント用のフィルター(設備)の各原子力発電所への設置の義務付けが、原子力規制委員会で提案され、その採用が有力視されています>

(東京新聞による報道)

 

平成25年1月13日付の「東京新聞」朝刊によれば、原子力規制委員会が現在7月を目途に、取り纏めを行っている原子力発電所の新安全基準内に、シビアアクシデント対策(過酷事故対策)が規定され、さらにその中に当会がかねてより、主張しているシビアアクシデント用のフィルター(設備)の設置が提案され、その採用が有力視されていることが、報道されました。

 

http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013011302000099.html

 

(仕様に関する注目等)

 

このシビアアクシデント用フィルター(設備)の設置に関する経緯については、当トピックス欄の平成24年5月23日付の内容及び最新のものとしては、平成25年1月3日付の内容をご参照いただきたいと思いますが、この報道を受けた今後の注目点としては、提案されているシビアアクシデント用フィルター(設備)が、当会が主張するヨーロッパ型のものと同一のものかどうかという問題があり、仕様の明確な内容の発表が待たれるところです。

 

(設置の義務付けが意味するもの)

 

ところで、シビアアクシデント用フィルター(設備)は仮に採用がなされるとすると一基1,000億円以上の設置費用がかかるものと思料され、さらに極めて巨大な設備となること(調度原子炉一基の設置面積と同程度の面積が必要になると思われます)から、全原子力発電所を通じて、コスト上の問題が生ずることと、併せて個々の原子力発電所において、立地上の課題が生じてくる可能性があるものですので、この設置の義務付がなされれば、日本における原子力発電所の政策の全面的な見直しに着手せざるを得ず、安倍政権が主張する3年以内の日本における原子力発電所の全面再稼働などということは、到底不可能となるものといえましょう。

 

(PWRとBWR)

 

なお、引用した「東京新聞」の記事においては、このシビアアクシデント用フィルター(設備)に関して、「新基準の検討会合では加圧水型原発も含め、放射性物質を吸着するフィルター付き設備の新設が提案された。」とありますが、この点を解説するならば、シビアアクシデント用フィルター(設備)はヨーロッパにおいては、加圧水型原発(以下「PWR」と言います)、沸騰水型原発(以下「BWR」と言います)関係なく、設置が通常なのですが、米国においては、格納容器の容量が小さい(つまり爆発がしやすい)BWRに対してのみ通常設置がされると言って良いところがあるため(※注)、ここに差を設けないことが今回の記事からは、読み取れる以上、ヨーロッパ型の採用が原子力規制委員会では、指向されている可能性が高いという点が指摘できるといえましょう。

 

(※注):現在世界の原子力発電所の原子炉は約400基ありますが、PWRとBWRの比率は、3:1であり、PWRのほうが圧倒的に多いものです。ちなみに福島第1原発の原子炉はすべてBWRであり、大飯原発の原子炉はすべてPWRです。                        

 

 

(平成25年1月15日事務局記)